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<ストーリー>
真月と呼ばれる、物理的に存在しない蒼い月が本来の月のとなりに浮かぶようになって、三年の時が経ちました。
ある日、私立桜水台学園に通うごく普通の生徒・羽村亮は夜の街で何者かに襲われてしまいます。それも、人間ではありません。相手は念動力としか言いようのない不思議な力で巨大な道路標識を自在に操り、さらに全身をほぐして触手状のおぞましい形状に変えることができるという、恐るべき怪物でした。
追い詰められ、もはやこれまでか、と思ったとき、突如紅の瞳をした不思議な少女が現れ、死神の武器を連想するような巨大な鎌で怪物を両断してしまいます。
君は…?助けてもらって安堵した涼でしたが、瞬きをするほどの時間の間に少女の姿は消え失せており…(ゼロアニメーションより)
<感想>
実にテンポよくストーリーが進む作品です。
出だし、主人公が得たいの知れない化け物から逃げ回るシーンで、すでに感心させられます。カメラワークや間のとり方も素晴らしく、また絵も美しいので非常に見応えがあります。
アクションに関しては主に剣や鎌などの武器を使用しており、殺陣のシーンは迫力があります。とくに序盤に挿入される主題歌では、あるキャラクターが振り下ろされた敵の剣のうえに飛び乗ったうえで、敵を真っ二つに切って落とす姿が描かれており、軽快さと切れ味を感じさせます。
エロ度に関しては、なくてもストーリーが成立するような作りであるわりに、実用性はかなり高いです。絵が美しいうえに動きがいいので、触手メインのシーンながら美しさを感じます。
さて、よいところをずらずらと挙げてきましたが、残念ながら悪いところもあります。25分強の時間で、通常なら二話分に相当する内容を詰め込んでいるのです。
お話自体はむしろ練り上げられていると感じますが、登場人物が多すぎるうえによく見ないと時系列がわかりにくく、そのために伏線にも気付きにくく、キャラクターの心理もわかりにくなります。このせいで後半はセリフがやたら説明調になり、本当に惜しかったです。
全体として、作品の出来自体は当たり前のように超オススメです。ただ、もう少しじっくり描いて欲しかった、と思いました。
※伏線…以下にちょっとまとめてみます。微妙にネタバレを含みますので、気にする方は読まないでください。
<まとめ>
1.主人公・涼が火倉いずみと出会い、光狩(これで『ひかり』と読みます)との戦いに誘われる。一週間後に返事の約束。
2.その数日後、三輪坂真言美が喫茶店でカップルの男の方に侮辱される。むかついて、かなりシャレにならない悪戯をする。
3.その数日後(1の一週間後、つまり約束の日)涼がクラスメイトの後藤(2のカップルの女の方)を見かけ、事件が起こる。
4.2と3の出来事が真言美の心に残り、のちの行動に影響を与える。
この部分、初見ではかなりわかりにくい描かれ方をしていました。小説なら、『○日後』というようなことを書けばいいようなものですが、アニメではそうもいかなかったのかもしれません。
<ストーリー>
真月が輝く夜・凍夜(とうや)。火倉いずみを中心とする桜水台学園天文部の面々は、今日も『火車(かしゃ)』として邪悪なる『光狩(ひかり)』と戦い続けています。
今日の光狩は、ムラサキ色の長髪に半裸、刺青という奇矯ないでたちの男。そして、無抵抗な怪我人を足蹴にし、さらにひどい傷を負わせようとしています。
男は光狩としては雑魚もいいところで、あっというまに火車たちに叩き潰され、どこかに逃げ去ってしまいました。
しかし、火車のひとり、星川翼は衝撃を受けていました。実は、光狩の男は『O.T.O(オト)』というバンドのボーカル・拝島ツトム(ハイジ)で、被害者は同じくバンドのリーダーで平山だったのです。星川は、O.T.Oを敬愛しており、このバンドが少し前にリーダーの怪我で解散してしまったことに落ち込んでいたのでした。そう、以前リーダーに怪我を負ってしまったのも、ハイジの暴行が原因だったのです。
一応、いずみの能力で怪我の応急処置をすませたものの、被害者の心の傷も甚大です。いつものように、いずみは平山の記憶を消すことしますが、星川はそのことに疑問を投げかけ…(ゼロアニメーションより)
<感想>
伏線などを上手に盛り込んだ作品です。
今回、邪悪なる光狩(怪物)を量産する者や火車たちの日常風景、さらに戦いと敵か味方かもわからない存在たちの襲来など、内容はてんこ盛りです。しかし、話はテンポよく進み、時間のわりに十分な情報量を持たせているのはさすがです。
とりわけ、学生としての天文部員たちの文化祭をからめた青春模様など、ダイジェストながら上手に表現しており、なかなか味わい深いものがあります。
また、あとあとに重要な意味を持つ伏線は、今回ちゃんと目立つようにわかりやすく表現されています。時系列などがわかりにくかった前回
夜が来る! 第1夜 ~双つの月~に比べると、ストーリー表現にも磨きがかかっています。
そして肝心のエロ度ですが、これはかなり高いです。のっけからら濃厚な乱交シーンあり、監禁・拘束しての陵辱ありと、なかなかディープです。エロシーンの表現が個性的ですが、実用性を損ねるものではないでしょう。
短い時間で表現するという制約から、切り捨てられてしまう説明が多く、またそのために疑問に感じてしまう部分はありますが、後半の葛藤などは納得であり、登場人物の心理や行動も実に面白いと思いました。
全体として、これはかなりの傑作です。普通に超オススメで、続きが配信されるのを楽しみに待ちたいと思います!
なお、前回が触手系だったのであわせましたが、むしろただのファンタジーっぽい作品だと考えた方がいいかもしれません。怪物や触手はほんの数十秒単位でしか描かれていませんから。
※拝島ツトム…個人的な話ですが、某時間を消し飛ばす超能力をもったギャングのボスとデザインが似ている気がしてちょっと笑えました。いや、むしろボスがいい歳してビジュアルバンドのギタリストみたいな格好しているのが問題なんですけどねw