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燐月 第一話 宿命の契り

燐月 第一話 宿命の契り

<ストーリー>
月明かりのなか、静謐な日本家屋のなかで一組の男女が睦みあっています。男はそれなりにたくましい体をもちつつも、まだ少年のような幼さをのこしており、女はそれよりはずっと年上のようです。

中に出して。孕ませて。愛し合っているにしては妙に切迫した雰囲気のある女の言葉に、男は当たり前のように中に出しました。

…と、そのようなことを繰り返して、すでに三ヶ月。その男、すなわち燐堂家の次期当主となるべき少年・直人と女、緋月結衣子は途方にくれていました。じつはとある理由から、彼らは子作りを強制されているのですが、いくらまぐわっても妊娠の兆候がないのです。

ふたりがままならぬ事情に嘆息していると、障子の外から声がしました。緋月正和。結衣子の夫である彼は、しかし妻が日常的に少年と情交を重ねているというこの状況に、どこか悲しげな目つきはすれどそれだけで…(ゼロアニメーションより)

<感想>
のっけから尺の長いエロシーンが用意されており、なかなかエロ度が高い作品ですが、そのせいでかストーリーが意味不明なことになっています。

いちおう、登場人物の名前などは字幕で紹介されており、またキャラクターたちのよくわからない現状も、どうやら過去に家系が受けたという「呪い」もしくは古くから続く一族ならではの「因習」ということで説明されているようですが、ほとんどキーワードだけで触れられている状態で、具体的な描写がありません。

この稿を書くにあたり、とりあえず設定をしらべてもみたのですが、すくなくともその部分に関しては、とくに隠す必要があるようなものとも思えません。ゲーム原作の作品のようなので、そこのあたりは「視聴者は知っているもの」として端折ったのかもしれません。

とにかく、ストーリーに関してはあらすじレベルの描写しかしていないため、そちらはまったく評価できないと思います。エロメインで見るのが妥当な作品でしょう。

さて、それでは肝心のエロ度ですが、これはかなり高いです。

絵は極めて美しく、人体の動きもしっかりしています。デフォルメが薄めですが、きちんとアニメっぽさも残しており、目の保養になるだけでなく、きちんとしたAVっぽいエロさがあります。

やっているプレイ内容も、作品テーマから中出し一辺倒かと思いきや、潮吹きやフェラチオ、精飲などもやっており(急いで孕ませないといけないのに悠長な主人公ですね!)、また登場人物の設定のみですがNTL、すなわち寝取りシチュエーションが存在しています。エロ目的での視聴に耐える作品だと思います。

なお、ラストで処女喪失シーンがあるのですが、ちょっと血の表現がグロテスクです。これはストーリー上の理由があってそうしているらしいと想像させますが、いずれにしても精神有害要素なのでご注意下さい。



※燐堂家…古い時代からの土地の領主であり、かつて領民を苦しめていた「もののけ」を退治したために呪いを受け、男児が生まれなくなっているという設定のようです。ただし、霊力が強いとされる緋月家の娘と契りを結ぶことで、男児が誕生する可能性があり、そのため緋月家を経済的な援助をすることで囲い込んでいます。援助のこともあって、緋月家の娘たちはおおむね燐堂家の者たちに好意的ですが、なかにはそんな言い伝えは信じず、かえって嫌悪しているものもいます。

※緋月美津菜…主人公がやっかいになる緋月家の四女。いわゆるハーレムメンバーの中では、たぶんあまり重要度は高くないキャラだと思われますが、かなり異彩を放っています。といってもいい意味ではなく、描写的になんらかの発達障害を持っているような感じを受けたからです。彼女も主人公と性関係をもつことになるのですが、どうも虐待っぽい感じがして、あまりいい印象がもてませんでした。

※緋月正和…主人公から正ニイと呼ばれている一方で主人公に敬語で接するというなかなか雰囲気のあるキャラ。妻を現在進行形でNTRれているのに主を立て、身を粉にして働いているナイスガイです。正直なところ、わたしは彼の達観したまなざしに全部持っていかれた感じがしました。



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真・燐月
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燐月 第二話 三姉妹の焦慮

燐月 第二話 三姉妹の焦慮

<ストーリー>
鈴音という自分以外の女の名前で呼ばれ、あまつさえレイプじみた激しいセックスをされるという悲しい初体験を経験してしまった緋月鮎美。しかし鮎美は相手である直人のあまりにも異常な様子に、衝撃を受けつつも不審なものを感じます。

鈴音という女性は、いったいなんなのか。ところが、そんな悩みを胸に抱く鮎美に、さらなる衝撃的な事件が起こります。

妹の美津菜が完全に直人に懐いてしまい、なんと学校の図書館でセックスを体験するという場面に遭遇してしまったのです。

もともと、直人と緋月家の女たちの関係は援助の見返りの義務、すなわちビジネスライクなものであり、直人が美津菜を抱いて妊娠の確率を上げることに関して文句をいう筋合いはありません。

しかし、なぜ自分を抱くときは「鈴音」という名で呼び続けていたのに、美津菜は普通に美津菜として抱いていたのか。不審感が募るなか、鮎美は自分のなかにある感情が芽生えはじめていることに気づき…
(ゼロアニメーションより)

<感想>
ストーリー的にはなかなかの謎の盛り上げがあるものの、期待通りの効果が発揮されていない作品です。

援助の見返りに娘たちが男に抱かれなければならない、という設定に関しては、エロアニメ的ファンタジーとして流すことが可能です。そして、抱かれているうちに相手の男が好きになっていく、という部分についても、まあありがちな展開といっていいでしょう。

しかし、この作品はエロを重視するあまり細部をはしょったり説明が不足していたりする部分が多すぎます。そのせいで、いくつかの重要そうな矛盾がただの失敗なのかじつは伏線なのか判断に迷ってしまう帰来があるのです。

たとえば、メインヒロインたる緋月鮎美は「鈴音」という女性をよく知らないように描かれています。しかし、この鈴音は緋月正和、すなわち鮎美の義兄の妹であり、同時に直人の婚約者という設定の人物であり、緋月の三女である鮎美が知らないというのはかなり異常です。普通に考えればなんらかの伏線のはずなのに、上記の理由によって「これ、製作が間違えたんじゃ…」と疑問に感じてしまいます。

また、鮎美が直人を好きになっていく描写に関しても、謎めいた描写から本来伏線であろうと思われるべきものであるにも関わらず、エロゲ的マジカルちんぽの成果なのではという疑いが払拭できません。

まだ第三話が残っているので、これらが伏線だったのか、ただの雰囲気だったのかの判断はつきませんが、うまいこと面白く仕上げてほしいところです。

さて、それでは肝心のエロ度ですが、今回もかなり高いです。

なんだかんだでキャラ三名のセックスシーンが存在しており、また自慰シーンも二名分用意されています。これだけエロを盛ればストーリーが割りを食うのはある意味納得で、エロメインでの鑑賞に堪えるでしょう。

ただ、女性キャラのうち、四女の緋月美津菜は、なにかそういうことをしてはいけない対象に思えて気分が悪く、次女の緋月詩乃はすでに大人で色っぽい(久しぶりだからやさしくして、というセリフがあります)のはいいのですが、キャラとして行動がブレブレに見えて好感がもてません。また鮎美にしてもシチュエーションがかなり可哀想なことになっているので、ひとにより好みは分かれるだろうな、という印象でした。



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真・燐月
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燐月 第三話 鈴音が消える日

燐月 第三話 鈴音が消える日


<ストーリー>
どうやら直人は妹たちを無事妊娠させられそう。そういって、安堵の息をもらす結衣子。それにたいし、夫である正和は敬語で同意をしめします。

夫婦なのに、あまりに他人行儀なその口調に、結衣子はいたずら心と家の義務を果たせたという開放感から、駐車中の車のなかであるにも関わらず正和にフェラチオを持ちかけます。

しかし、そんな結衣子の態度に、砕けた口調にはなった正和でしたが、ちんぽはぴくりとも動いていませんでした。じつは正和は実妹で直人の婚約者でもある女性・緋月鈴音を自身の運転する車の事故で死なせており、そのときの精神的ショックからEDに陥ってしまったのです。

一方、鮎美は…(ゼロアニメーションより)

<感想>
作中に提示されている情報を整理して考えると、相当に美しい幽霊譚(ホラーというよりはファンタジー寄り)になるはずなのに、どうしてこうなったと言ったくなる作品です。

さきに擁護しておきますと、絵、描写自体は非常にすばらしく、とりわけ動き、どういう流れでどんなふうに体が動いてその結果物が動くとかなにかに当たってどうなったとか、そういう表現は本当に丁寧です。したがって、決して手を抜いているとかそういう話ではないと思います。

それに、場面ごとの演出や登場人物の感情の機微などの表現も十分に魅力的です。

ところが、アニメとして連続してみていくと、場面ごとのつながり方や登場人物の思考の連続性などが不可解に見えてしまうという、困った状況になります。

思うに、このお話は設定やら状況が複雑すぎて、エロアニメには向かなかったのかもしれません。

全体としては、よくも悪くもエロ以外見るべきところのないアニメでしょう。エロアニメのありようとしては間違ってはいないものの、ストーリーメインで作ったら相当面白そうな話でもあるため、ストーリー重視派のわたしとしては残念だなあという感想がさきに立ちます。

それと、製作がはっちゃけたのか、なかなか見も蓋もない超展開が起こっているので、ネタにして笑い飛ばすというような楽しみ方もできると思います。

なお、エロに関しては孕ませがメインであるため、女の子が中出しを懇願するという素敵なシチュエーションがあります。実用性に関しては、キャラの動きのよさもあいまって相当に高いでしょう。



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