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ゼロアニメーションの最新作品

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姉妹いじり 後編

姉妹いじり 後編


<ストーリー>
岩城から、姉の紫と別々に調教を受ける美紅は、不思議な夢を見ます。

それは、まだ自分たちの身に運命が降り注ぐ前の頃の自分。取り立てて贅沢というほどでもない、ごく中流の家庭で、それなりに楽しく、幸せに過ごしていた頃のこと。その夢の中で美紅は、その頃のことを懐かしく思いながら、現在の酷薄な運命を呪い続けます。

しかし、夢はそれで終わりではありませんでした。そこに美紅自身が現れ、面と向かい自分を罵倒するのです。

夢の中で、自分を罵倒する美紅は次々と増えていきます。そうして、岩城の調教という快楽に身をゆだねる自分を淫獣と蔑み、自ら望んで岩城に股を開くと貶め、夢を見ている美紅は自己弁護に必死になるうちにわけがわからなくなってしまいまうのです。

現実。一色姉妹は岩城の心を犯すような調教を受け入れ、素直に快楽を求めるようになっていきました。しかしそんな中、姉の紫は徐々に心を蝕まれ始め…(ゼロアニメーションより)

<感想>
タイトルは下世話ですが、極めて劇性の高い傑作です!これは素晴らしい!

今回は主要な登場人物たちの心理描写に力が注がれています。重要になってくるのが紫と美紅の姉妹が見る夢、そして紫の、現実の記憶とも狂気に陥った末に見た幻想ともつかない記憶です。この辺りの描写が上手いため、かなり難解な描写であるにも関わらず後半の登場人物たちの行動がとても理解できるものになっています。

そして、キャラクターの心理描写をしっかり描きつつ、きちんとした伏線を用意し、設定も構築してあり、ストーリーの面白さも十分!ラストの衝撃は素晴らしいものがありました。

エロ度に関しては、エロシーンの質・量とも十分なのですが、姉の紫が静かに壊れており、その滲み出てくる狂気がすごすぎて、あまりエロい気分になれませんでした。早い話、鬱が入ってしまうわけです。この辺り、人により好みが分かれるかと思いますが、ラストの衝撃もあわせ、見る人を選ぶところがあり、手放しでオススメとすることはできません。

ところで、この作品はTV版新世紀エヴァンゲリオンの25・26話で使われた「キャラクターが精神世界で自問自答する」という心理表現を用いています。製作がよほどエヴァを好きだったんだろうな、と想像させますが、この作品での使い方はストーリーともマッチしていてかなり上手いです。

エヴァの当該回での表現は、キャラクターの内面を表現する技法としては斬新なものでしたが、当時は仕事が間に合わず誤魔化したとすら言われていたぐらいで、そもそも最終回にもってくるべきものではありませんでした。はっきり言ってストーリーや設定を生かしたやり方とは全く言えず、むしろインパクト重視の一発ネタっぽい使い方でした。

それでもわたし自身はけっこうあのはっちゃけた終わり方が好きだったのですが、今回同じ技法をきちんと心理表現として用いている作品を見て、やはり使い方が良ければ優れた手法であったのだと思いました。
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