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同窓会 Again 小早川瑞穂編

同窓会 Again 小早川瑞穂編・ゼロアニメーション


<ストーリー>
中学の頃、同じテニス部員だった仲間たちが、成人式を迎えるのをきっかけに開いた同窓会。卒業後もそれなりに交流があり、久しぶりに会うというほどでもありませんが、それでも全員一同に会する機会はそうないので、おのおの楽しく盛り上がります。

そんな中、遅れて来た小早川瑞穂は、本人にはその自覚がないもののデニス部のマドンナ。お姫様のような美しさで、場に花を添えます。

同窓会で盛り上がった面々は、全員でスキーを楽しむため瑞穂の実家のペンションに泊まることになります。はじめは楽しくのんきに遊んでいたのですが、瑞穂の母親が過労で倒れてしまい…(ゼロアニメーションより)

<感想>
どうも作りが甘い作品という印象です。ちょっと説明不足で設定や展開にツッコミどころが多すぎます。

例えば、運動部の関連での同窓会なのになぜか瑞穂は体が弱く、みんなから労われながら生きてきた、という設定になっています。もちろん運動部にはマネージャーというのもありますから、おかしな設定とまでは言えませんが、事前に説明がありません。瑞穂が体が弱かったという設定も後半にセリフでいきなり出てくるため、「あれ?この人、運動部じゃ?」と一瞬戸惑ってしまいました。この設定が後々重大な意味を持つのに、これではあんまりです。

また、瑞穂は中学の頃に通っていた学校と同じ街の大学に通っているらしいのに、実家がなぜか田舎にあるというのもよくわかりません。世の中、いろんな人生がありますから、それではいけないとは言いませんが、少なくとも自然な流れで理解しやすい設定ではありません。何の説明もなくこんな複雑な(もしくは何にも考えてない適当な)設定を作られても、見る側は引っかかって困るだけです。

さらに演出が少々あざとく、わざとらしいです。ごく普通の世界観で「~でしゅ」のような変なしゃべり方をするキャラクターがでてくるのもどうかと思いますが、それよりも酷いのは主要キャラクターのセリフが芝居がかりすぎているのと、重要な設定や心の微妙な動きのほとんどを長いセリフで表現している点です。この作品はゲームが原作なので、もしかしたら情報量が多すぎたのかもしれませんが、ともかく、この作品しか見ていない人間からすると、演出が失敗したとしか言いようがありません。

一箇所、電車の窓ガラスに雫がついていて、窓に映りこんだ人物が泣いているように見えるシーンがあり、非常に良い効果をあげていました。こういうさりげない演出をメインにしたら素晴らしい作品になったと思うのに、非常に残念です。

絵に関しては概ね美しいですが、所々遠近法がおかしかったり人体のバランスが悪かったりするところがあります。全体が良い分目立つという意味で、惜しいところだと思います。

エロ度に関しては無修正ではあるものの、ストーリー重視の流れなため、それほど高くありません。一箇所、尺の長い愛のあるセックスシーンがあり、そのシーンに関しては実用性があります。ただし、処女のセックスで破瓜の血を流しており、血が苦手な方はご注意ください。

全体としては惜しさが目立つ作品で、見る価値がないとは言いませんが、出来が良いとも言えない、というところだと思います。
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